入口の茅葺の門はどこからか移築?
この辺りでは茅葺の屋根を見ることはまずありません。
もっともっと田舎に行かないと
見ることはないですね。
この茅葺の門はどこからか移築したものではありません。
京都の職人さんに作ってもらいました。
お店のオープンは2004年。
茅葺の門は2009年に作りました。
なので最初の5年間はこの門はなかったんですね。
以前はこんな感じです↓
オープンの頃に使っていた木の看板↑が
吊り下げている金具の所で腐ってしまって
その対策を兼ねて門を作る工事をすることにました。
つまり雨ざらしにならないように看板をつけるために
門を新しく作りその壁に看板を付けようということになりました。
この建物を建てた大工の社長Tさん:
「余語君、せっかく門を作るんなら茅を葺かんか?」
僕:
「茅葺ですか」
社長Tさん:
「屋根には瓦葺きや板葺きもある。神社なんかは銅板でやる。
だけど、瓦なんかは雰囲気が重いし固い。それにどこにでもある。
茅の柔らかさと言ったらないぞ。悪いことは言わん茅を葺いてみんか。」
僕:
「あぁ、なるほど。そうなんですね。確かにこの辺りでは見かけませんもんね」
社長Tさん:
「ほうだろう。そりゃぁ~茅の素朴な柔らかさは違うでな。ええぞ~。」
僕:
「でも、今そんな職人さんいるんですか。それに今後のメンテもできるんですかね」
社長Tさん:
「おぅ、それがまだ京都の方にはまだ職人がおるんだ。美山というところにまだ茅葺の集落が残っとる。そこで保存のための職人を抱えとる。」
僕:
「そうですか。それは出来たらすごいですね。」
社長Tさん:
「ちょっとこの辺りにないもん作ったるでな。これ自体が看板みたいなもんだな。ちょっとカネがかかるぞ。」
僕:
「・・・・」
と言うことで看板の修理の話から
結構な出費をして門を作ることになりました。
実際に門のしたの木の部分は大工さん
上の屋根の部分は茅葺の職人さん
袖壁の土壁は左官屋さん
周りの庭の造作は造園屋さんと
様々な職人さんたちが手を掛けて造られました。
屋根の茅葺の部分だけでも
普通にその辺の新車1台分ぐらいのお金がかかりました・・・
2009年12月にお店を一旦閉めることもなく
営業しながら門を作り茅葺の屋根を作りました。
京都から職人が一人
お手伝いに見習いの人が一人
2人で2週間ほどかかり完成しました。
考えられないほどの大量の茅が
この門には乗っているんです。
僕:
「どのくらいもちますか?」
職人さん:
「手を入れて補修しながらで20年ですね。20年経ったら全部葺き直しです。」
僕:
「案外もつんですね」
職人さん:
「そうですね。でも補修して減ったところなんかを足したりしながらですけどね。」
20年もつのなら悪くないと思いましたが、
よくよく見れば「枯れ草」ですからね。
雨や風にさらされて、
20年間も「枯れ草」が屋根を守るんだから
これって凄いことですね。
まだ補修も葺き替えもしてません。
コケがキレイに乗ってきましたね。
でも、これって朽ちて行っているという証拠。
雨なのどの水分が溜まりやすくなったために
コケが生えてきたのですよね。
今度はコケが生えることによって
保湿効果も出て余計に朽ち易くなるとうこと。
悪循環の方向へ進んで行っているというこなんです。
風情と言えばコケが乗ってほしいですが、
葺き替えのことを考えるとあまり・・・
是非またじっくり観てくださいね。
因みに門の袖壁に付ける予定だった看板は
結局別の塀につけることになりました。汗・・・
門作る必要なかったじゃん。。。